音楽記録簿「れぽると」

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「HIDEKI SAIJO CONCERT 2004 “Again”」 大阪公演 


 ♪日時:平成16年(2004年)10月21日 木曜日
                   (18:00開場・18:30開演予定・18:35開演)
 ♪場所:ウェルシティ大阪(大阪厚生年金会館) 大ホール
      (大阪市西区新町1-14-15  キャパシティ1~3階合計2,400席) 
               



              

  世の中には、「うたという手段で、こころとことばを伝える」という天命をもって、生まれてくるひとたちが居るのだと思います。
綾戸智絵さんの半生・ステージングを見ていて、また、「智絵ちゃん」のライヴ・レポートを本欄に執筆(入力)している間、絶えずこう思っていました
「ステージを通して、聴衆に『生きる力』を与えてくれるひとが、もうひとり、おるんよね…」。
その「もうひとりの稀有な存在」のステージを拝見するために、大阪へ赴きました。


 西城秀樹さん。
春以降の秀樹さんの活動は、「病後の翌年」とは思えないぐらい、アクティヴなものでした。
ジョイントコンサート、地方局催事、番組収録、商品発売記念イベント……さまざまな形で、各地をこまめに動いていました。合間には、著書『あきらめない~脳梗塞からの挑戦』を上梓していました(9月13日発売)。
 そんな中での、秋季コンサート。今年の「秋コン」は2ヶ所…先に開催されたのは10/12神奈川、締めが10/21今回の大阪。
コンサートのタイトルは『Again』…「『西城秀樹』再び」=つまり「復活」という思い・意味合いを込めて名づけられたものだそうです。
初回・神奈川公演での充実ぶりが伝わっていて、余韻がさめやらぬうちに、大阪公演開催当日がやって来ました。
それは、猛威をふるった大型台風23号が駆け抜けた、翌日のことでした。
期待感と緊張感、秀樹さんの体調の心配…いろいろな思いが、開演前には交錯していました。

 
 客電が落とされ、開演を告げるBGMとともに、舞台には白い照明が。放射状に延びるスポットの先には、いくつかの星たちが円形を描いて集まり、まるで「星のちいさな花束」のようでした。「星のちいさな花束」は、斜め方向に1本、2本…規則的にだんだん増えていく演出でした。たった1色の照明が織り成す世界。
そして、80年代にリリースされたアルバム「33才」からの、ジャージーな楽曲『OnceAgain』で、静かに幕が開きました。
 秀樹さんの衣装は黒のロングコートに黒のパンツ。インナーは白く見えました。黒地に黄色のアクセントがはいった帽子をかぶっていました。私は1階席中央やや後ろ、右寄りの席(M列57番)から見ておりました…衣装のディテールが私の視力では見えないのでごめんなさい…双眼鏡のたぐいも持っていないのでm(__)m。
 歌が始まってからは、照明はシンプルに。上方から斜めにおりる赤い光が1本、白い光が1本。天空からの道のようでした。途中に「月明かり」という言葉があるのですが、照明の白い光は、まさに月明かりのよう。語るように歌いかける秀樹さんが印象的でした。

 ①OnceAgain に引き続いて、やはり80年代のアルバム「From Tokyo」から、②『夢の囁き』。繊細なバラードです。去年、病後初めてのコンサートからの帰路に聴いていたのが、このアルバムでした。この「夢の囁き」を聴いていたときに、車中で泣けてきたのを思い出しました…翌年、ナマでこの楽曲を聴けるとは思ってもみませんでした。

 2曲静かなナンバーを歌い終えてMC「みなさんこんばんは。西城秀樹です」。深々と一礼。
帽子を取り、舞台後方から椅子を持ってきて、座って、穏やかに話し始めました。
 2ヶ月前ぐらいから声の抜けが良くなった、と。
前日の台風で「きょうは皆さんきてくれるのだろうか。大丈夫だったろうか」
客席のファンを気づかいながらのMCです。
「今年は台風を追いかけるようなかたちで仕事をする機会が多くて…。この間も、台風のあとに福岡へ行ったんですけど、僕は交通のほうはツイているみたいで、飛行機やめて新幹線にしたら、無事に動いてくれまして、福岡で雨の中歌って、風邪ひいて帰ってきたりしたんですけど」(…おいおい(-_-;))。
「きのうは東京も真夜中(台風が)凄かったけど、きょうこうして来る事ができました。いま歌えるということが本当に嬉しくて、歌えなかった者が歌えるようになった、という事そのものが嬉しくて。皆さんに会えるのが楽しみで、会いたいという気持ちで来ました。台風も去って秋雨前線も過ぎましたが、きょうは『秋』を感じて頂きたいと思って、曲を選んでみました」

 座ったままで 次の楽曲へ。長いフルートのソロの間、「何の曲が始まるんだろう?」まったく想像がつきません。今回、アレンジ(編曲)をし直したり、あるいは部分的に前奏・間奏を付け加えたり(あるいは省いたり)した楽曲が多くて、それがまったく違和感なく受容出来ました。そして始まったのは、③眠れぬ夜。ご存知オフコースのカヴァーで出されたシングルです。
 私はこの曲を歌う秀樹さんの表情がとても好きです。楽しそうに、うれしそうに、大事にこの曲を歌ってくれているので、小田和正ファンでもある私としては、ここまで楽曲に愛着を持って毎回歌ってくださる秀樹さんに「ありがとう」という心情。ついつい小声で一緒に口ずさんでしまいました(隣席のかたごめんなさいね(^_^;))。

 続いて④ブルースカイブルー。ピアノを中心に、徹底的にシンプルなアレンジでした。原曲はメジャーコード(長調の和音)で歌が始まるのですけれど、哀愁を帯びたピアノに合わせて、歌の始まりの和音もマイナーコード(短調の和音)に。
根幹のメロディーがしっかりしているからこそ、時代に合わせた新しい味付けが、あとから如何ようにも施せるのだと思いました。

 一時期、カヴァーブームやクラブリミックス等で、昔の楽曲を今の味付けで焼きなおすのが流行していましたが、元のメロディーの味わいを損ねてみたり、和音を不協にしてみたり…そういったものも耳につくのです。しかし、今回の秀樹さんたちの楽曲アレンジは、あくまでも基本に忠実で、元の楽曲を生かしつつ、コンサート全体の色彩をひとつにまとめるような工夫がされてい
ました。
 客席では、楽曲に合わせてさまざまな色のペンライトが揺れていました。おだやかな光の波のように…。ペンライトの光の海は、あたたかく会場を包んでいました。

 ④「ブルースカイブルー」のあと、間髪入れずに⑤傷だらけのローラ。しかも、ピアノ1本・歌始まり。イントロがありません。この展開には度肝を抜かれました。序盤♪…そんなに震える~のあと、アップテンポ展開(♪いま君を救うのは…)に行くまでの間に、ミュージカル「オペラ座の怪人」テーマ曲から4小節挿入するというアレンジの工夫が!! 次のドラマチックな曲の展開を引き立てます。高音域で始まり、起承転結の展開が激しい難曲…病後苦しんだはずのこの曲を、今回力強く堂々と歌い上げる秀樹さんが、ここには居ました。
 圧巻は、エンディングでの独唱
「ロ~~~~オ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ   ラァ~~~~~~」
渾身のスーパーロングトーン。音譜を伸ばしている間、音程がブレません。このフィニッシュのために力を注いだというような。
「こんなローラ聴いたことない…」西城秀樹の底力を見た(聴いた)瞬間でした。

 ローラを機に、やや静から動へ。2000年のラテンテイストなライヴでも歌われた⑥「SunshineDay」。高音域中心の楽曲ですが、秀樹さんは気持ち良さそうに歌っています。冒頭でご本人さんもおっしゃったように「声の抜けは良くなった」のだと実感しました。
引き続いて「⑦スタンド・バイ・ミー」でも同様に…。
 私の個人的な印象ですが、秀樹さんは洋楽カヴァーを歌われるとき、ノドの開き具合が良いのか、実に広範なレンジ(音域)を苦もなく使っていけるヴォーカリストなのです。まるで水を得た魚のように、自在に洋楽曲を歌ってしまう。昨年の段階では、高音域中心の楽曲をメニューに組むことはままならなかっただろうと推測しますが、それだけに、今回、楽曲の選択肢が広がったことがうれしく思えました「西城秀樹独特の『洋楽曲の声』が帰ってきた」と。時間の経過によるものも大きかったでしょうが、今日の段階にたった1年ちょっとでたどり着けるまでには、ご本人さん及び周囲の方の努力がどれほどか、計り知れないように思います。
 SunshineDayの途中で秀樹さんは一旦ハケて、その間にバックメンバーが相互にラテン調でメンバー紹介。秀樹さんは白のジャケットにブルージーンズ、黒いサングラスを着けて再登場。ラフな感じが楽曲に似合います。 
 
再び椅子に座って長い(笑)MC。
「ここのところ趣味が増えまして。まずはやっぱり水(舞台中央下には、500ミリリットルサイズの各種ペットボトルがいつの間にか陳列されている)」。病後、毎日2リットル飲まなければならなかったので、さすがに毎日のこととなると、「水に飽きがくる」のだそうです。経緯=クリスタルガイザー→ボルヴィック→天然水→キレアウォーターときて、日田天領水に落ち着き、
最近は「タバコやめて体重が増えたから落とさないといけないんで(笑)」ヘルシア(注:お茶ですね)がお気に入りなのだそう。
 続いてのマイブームは「冬ソナ(冬のソナタ)」。第4話あたりから「チェ・ジウかわいいなぁ、って思って」ハマってしまい、3日間集中して立て続けに見てしまったそう。奥様からは呆れられたのですが「キミみたいでかわいいなぁと思ってね(笑)」「…これを『嘘も方便』って云うんですけどね(笑)」。秀樹さんらしい茶目っ気あふれるジョーク炸裂です(^_^;)。

 「思うんですけど、生きていくうえでは『ときめき』って大事なんですよね。ときめくことは、活力になりますから。皆さんも、例えば『あしたはヒデキに会えるからきれいにして行かなくちゃ』とかね(笑)。『年金いくらもらえるんだろう?』なぁんて、違う方向でときめいてはいけませんよ…ボクも気にはなるんですけどね(^_^;)」。
 さらに、「ときめき」つながりで、新しく増えた趣味「テニス」の話題へ。「いま子どものために家をリフォームしてるんで、品川に仮住まいしてるんですけど、24時間やってるテニスコートがあってね。ボクこうなっちゃう(のめりこむポーズ)方だから、インストラクターと1対1みたいな形で…そのほうがラリー回数も増えるでしょ? そのうちに面白くなって上手くなってきてね。そのうち、素敵な女性の方がこっち見てくれてるんじゃないかとか思って、ボール打つのもつい力入れて、ポーズとってしまうんですよ(爆)。でも、そういう所って、60歳ぐらいのひとたちなのね…ミニスカートはいてるの。それで『ヒデキさん、運動もいいけど、お水も摂ってくださいねぇ~っっ(*^_^*)』って云われたりして…『余計なお世話だこの野郎!』とか思っちゃう(笑)」。ジョークの裏に照れと思いやりが隠れていたりして… 人間味ある一面が垣間見えるようなトークでした(*^_^*)。
「いくつになっても『ときめき』を忘れないように、ということが大事です」。

 「ボクも大病通していろんな経験したんで、『あきらめない』という本も書いたんですけど、皆さん読んで頂けましたか?ボクは生かされているんだ、残された時間を懸命に生き抜かなければって思いましたが、この本は、自分がこうした経験を忘れないように…という思いと同時に、
娘が大きくなったら『お父さんはこういう人生を歩んできたんだよ』っていうことを読んでもらいたくて書いたんです」家族への思いがうかがえます。
著書の話題の前には、プロデュースしたパチンコ台「ヒデキ感激」の話題も。
御自身でも「ヒデキ感激」台を打ったところいきなり3万円負けてしまったそうですが、その後、他の某シンガーさんの台で6箱、無事取り戻したようで…「秀樹がヒデキに勝ったんじゃダメなんだなって思いましたね(笑)」。

 「去年からアコースティックナンバーをやっているんですけど…」ということで、昨年の秋コンで好評だった2曲⑧TearsInHeaven(日本語バージョン)⑨めぐりあい…さらに引き続いてアルバム「FromTokyo」から⑩『Again』を。
「Tears…」はクラプトンのカヴァー(秀樹さんは永年クラプトンのファンで、某週刊誌の企画記事『繰り返し聞くCD』のなかでもクラプトンのアルバムを挙げています)。「めぐりあい」は、アンドレ・ギャニオンの曲に歌詞を附したもののようです。
 「めぐりあい」の歌詞のなかに、♪運命に選ばれた…  あるいは、♪きょうという日のためにぼくらは生まれてきた というような一節があって(歌詞カードが手元にないので、コンサート会場で通算2回聞いただけなのですが)、その歌詞が今回、実感を伴って迫ってきたように思えました。 西城秀樹という、うたうことを天命とするひとが居て、たまたま自分たちの生きている時代に居てくれた。

 しっとりとした3曲のあと、あらためて秀樹さんからメンバー紹介を丁寧に。
バンマスの芳野藤丸さんは頭を剃っていらして(帽子をかぶっておられました)、紹介の際には「出家してこうなりました」と(笑)。
藤丸さん、目の手術を受けられたそうで(そのひとことだけなので、詳細は分かりません)、「ウチ病人ばっかりなんでね(^_^;)」と苦笑い。サイドギターには、元sirenの宅見将典さん(=ご存知、秀樹さんの甥御さんです)が加入なさっていました。

 「血圧上げちゃいけないんですけど(笑)、頑張ってみましょうか」このひとことを発するやいなや、会場に「イェ~イ!」と呼びかけ。しばらく会場との「イェ~イ!」の掛け合いが続きます。まるでテニスのラリーの応酬のよう(^_^;)。
途中には、「イェ~イイェイイェイイェ~イイェ~っ!」
♪学園天国(フィンガー5もしくはキョンキョンでおなじみ)のイントロの節まわしで、掛け合いを仕掛ける茶目っ気ぶりを発揮してました(^_^;)。秀樹さん、かなり高いピッチで「イェ~イ!」とシャウト続けていて、声の強さと勢いは加速していきます。
その勢いのままで⑪ギャランドゥ(アレンジは「まったりバージョン」ですが、秀樹さんの声は力強くて、サビの部分もよく声が出ていました。母音ア段に限らず、出しにくかったオ段もバッチリです)⑫情熱の嵐⑬炎⑭ブーメランストリート …以上立て続けに。客席もペンライトを振って、ボルテージアップ。

 そして、本編ラストには⑮「若き獅子たち」を。この選曲も意外にして見事でした。
「ボクは前に向かってすでに歩き始めています。だからもう心配しないでください。今回コンサート2ヶ所とディナーショーだけしか出来なかったですけど、長い目でボクを見て頂きたいと思います。前を向いて、ともに闘っていきましょう。『気を構える』ことは大事だと思いました。病気も気、
元気も気、秀樹も樹(笑)。病は気から、って云いますしね。皆さんもいろいろ悩みとか抱えていらっしゃると思うんですよ。でも、それが人生だし、人間だから。頑張るしかないんだもんね(^_^;)。ボクもマイナスから始めてやっとゼロになって、スタートに立ったところ。前を向いて闘っていきます。ボクは声とカラダを借りて、歌で語っていく。そんな思いをこめて、ラストにはこんな曲を用意しました」。
この楽曲のサビで刻まれるマーチのようなリズムと、力強い歌詞は、今の秀樹さんの着実な一歩一歩そのもののようでした……ひるまず、凛として、力強く歩き続ける姿そのもの。立派でした。ラストの転調で、ためて歌う部分、相当な負担がかかるはずですが、リアルタイムで歌っていた当時の歌唱方法でやってくれました。
 どの楽曲だったか失念しましたがm(__)m、終盤の楽曲で、舞台に大きな三日月の現れるものがありました。照明・背景は星と月のモチーフに絞った、控えめな演出でした。それがシンプルで統一感のある舞台構成を引き立てていました。

 アンコールは、藤丸さんのラテンテイストの長いギターソロに続いて⑯バイラモス。そして、お待ちかね(!?)⑰「ヤングマン」。
途中『YMCA』の手振りについて「皆さん100%完璧です…もう、文句のつけようがございません……あ、独り『逆C』のかたがいらっしゃったので、99.9%ということで(^_^;)」。秀樹さんのMCも完璧です(笑)。1階席~3階席、約2400人のYMCA…壮観でしょうね(^_^;)。
 ラストはアルバム「From Tokyo」収録の⑱今…
…吉田美奈子さんの書いた歌詞 「昨日は未来への祈り 明日は夢の創め(はじめ)」
秀樹さんの今の決意が込められているような、静かながらも強い意志を感じさせるエンディングでした。
 

 今回特筆すべきは、やはり選曲とアレンジです。コンサートタイトル『Again』。秋という季節感をベースにするだけでなく、楽曲のひとつひとつ、歌詞のひとことひとことに、今回この場所で歌う意義・理由があるような……重みのある曲ばかりでした。
 70年代、いわゆるアイドル時代のシングル曲、80年代のアルバムからの楽曲(個人的には好きなアルバムなのでとても嬉しかったです)、去年のコンサートで採用した楽曲……均等に並んでいました。秀樹さんはそのときそのときで、誇りを持って仕事をしてきたことの現われであるような気がします。さらに、今の時代感覚で、今の声色で歌ってもまったく色あせない味付け。
原曲のメロディーの良さを理解したうえで施されたアレンジのよさが光ります。シンプルに、見せて聞かせて伝えることに徹して、熱く凝縮されたステージパフォーマンス。終演は20時20分頃でした。

 中には、歌詞の1番とサビのリフレイン(繰り返し)だけの、ショートバージョンでとどめた楽曲もありました。ですが、秀樹さんが全力疾走のまま完走するには、いまの段階でこれが正解なのだろうとも思えました。
途中、ペットボトルの水を撒くパフォーマンスもあったり、キレのよいターンを見せてくれたり……「元気になった(復活した)西城秀樹」を全力で体現するがための第一段階。復元ではなく再構築……新たな海図を描きながら、また一歩踏み出した秀樹さんがそこには居ました。
 
 途中、「夢の囁き」2番の歌いだしで、やや詰まった(遅れた)場面もあり、聴いている私は少し焦ったのですが(ごめんなさい)、秀樹さんはすぐ修正して、持ち直しました。今回全編にわたってその集中力は途切れなかった。声の張り・勢い・力強さ・身体の調子……すべてのベクトルが一点に集中していました。まったくムダのない濃密な時間・空間でした。

 さらに……(こちらは今回初めて秀樹さんのコンサートをご覧になった方の感想なのですが、私が気づかなかった点として、加筆させて頂こうと思いました↓)
 曲順(構成)が、スローテンポの曲・アップテンポの曲各々が二分されることなく、バランス良く配されており、また、MCに入るところで、秀樹さんご自身も、客席に向かって「どうぞ座ってください(*^-^*)」と穏やかに促してくださる。そういった、客席へのさりげない気づかいが、とても有難かった、と…。
 云われてみて、たしかにそうだなと思いました。


 どうかこれからも、急く(せく)ことなく、カラダを第一に、存在し続けてほしい。
 こころをもったうたは、私達の生きる力であり、道に迷ったときのポラリスなのですから。




♪セットリスト♪
1)Once Again
2)夢の囁き
3)眠れぬ夜
4)ブルースカイブルー
5)傷だらけのローラ
 (※途中「The Phantom of the Opera」から4小節ほど挿入あり)
6)Sunshine Day
7)スタンド・バイ・ミー
8)Tears in Heaven
9)めぐりあい
10)Again
11)ギャランドゥ
12)情熱の嵐
13)炎
14)ブーメランストリート
15)若き獅子たち

=encore=
16)Bailamous ~Tonight we dance~
17)YOUNG MAN(Y.M.C.A.)
18)今
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by oda_hide7 | 2004-10-25 23:47

「綾戸智絵 Live 2004」 米子公演 

 ♪日時:平成16年(2004年)10月11日 月曜日(祝日)
            (16:15開場・17:00開演予定・17:09開演)
 ♪場所:米子コンベンションセンター BIG SHIP 多目的ホール
      (鳥取県米子市末広町74  キャパシティ1~2階合計2,004席) 


              

 綾戸智絵(あやど・ちえ)。
 彼女の名前だけは、前々から雑誌等で知っていました。 
 若い頃、単身渡米して、ゴスペルクワイヤの一員となり、のちに現地で米国人と結婚・一児をもうけて、のち離婚。
 帰国後女手ひとつで愛息を育てる彼女の身に病魔(癌)が襲いかかるも、それを乗り越え、やがてシンガーとしての才能を見いだされてデビューした、遅咲きのジャズヴォーカリスト。
 彼女の波乱万丈な半生は、こんなかたちで紹介されていました。そして、彼女のバイタリティ溢れるライヴを見て、観客は元気をもらうのだと…。
 その後、テレビ番組(NHK「青春のポップス」等)で、数度、彼女を見る機会がありましたが、SMAP中居正広さん司会の番組(「金曜日のスマたちへ」だったような気がします)で、2曲歌った彼女を見て、興味を持ちました。
 「世界にひとつだけの花」(中居さんと共演)については、私自身はそれほど感じるものはなかったのですがm(__)m、続けて、ソロで「テネシー・ワルツ」を彼女が歌っていた…それは、故・江利チエミさんの「テネシー・ワルツ」にまさるとも劣らない(私は子供の頃、江利チエミさんの歌が好きでした)、再び聴いてみたくなるような「テネシー・ワルツ」でした。  
 
 その後しばらくたって、職場近くのあるカフェ(境港出身のマスターさんが、御自身お気に入りのCDを店内BGMとして流しておられるのですが、その選曲の感覚が好きで、時折CDの名前と歌手名を教えてもらっています)でも、彼女のCDは流れていました。
洋盤に続けて彼女のCDをかけても、まったく違和感なく…。
 
 その、綾戸智絵さんの米子での公演。「ナマ綾戸」拝聴・拝見に出かけました。座席は1階8列39番。コンベンションセンターは初めてですが、硬い木の椅子で、座席と背の角度が直角だから、首と腰が途中から痛くて痛くて…ごめんなさい会館の方(^_^;)。

 綾戸さん、と云うよりは「智絵ちゃん」。白い緞帳が上がった向こうには、人懐こい笑顔で、グランドピアノを弾きながら、楽しそうに歌い始めている、智絵ちゃんが、そこに居ました。
 自らを「ミュージシャンやのぅて、『歌好きの、ちょっぴりさみしがりやな、オバハン』」と称する、智絵ちゃん。うわさにたがわぬバイタリティーで、客席をグイグイ引っ張っていきます。ピアノ・歌・しゃべくり。きょうここで歌えるのがうれしくてしょうがない、というように、顔をクシャクシャにしながら、全力投球。

 アタマ2曲はいきなり①「Amazing Grace」②「テネシー・ワルツ」。彼女の代表的なナンバー2曲です。「最初っから目玉2曲持ってきて、このあと大丈夫なん?」という、私の余計な心配(笑)をよそに、

 「いやぁ~ぎょうさん来てくれはりましたな~ うれしいです。米子、とうとう来れました~!! うわぁ1階席、2階席、びっしりやぁ~。ありがとぅございますぅ~。3階席もありがとぉ…あ、これは照明か。道理でおんなじような、宇宙人みたいな顔ばっかりやなぁと思ぅたわ。
そこの人、遅れて来はったんかぁ? ほな、今の2曲聴いてへんのぉ?いま、『アメイジング』と『テネシー』やったのにぃ。演奏中やから中に入れへんかったんやねぇ。外で聞いてはったんやろ。ほな、『テネシー』サービスしょうか(*^-^*)?」
そう云うやいなや、急いでピアノのところに戻り、「テネシー・ワルツ」のサビから再び歌い始める智絵ちゃん。会場はすっかり彼女のペース。独りでステージを持たせてしまうのが凄い!!

 鳥取県といえば、幼い頃(小学生時代、8歳ぐらい)鳥取砂丘に来て、
ラクダに「あんたの人生これでええのん?」と語りかけたこと、
「次来るときには、出世して、お菓子お土産に持ってきたるからなぁ」と
その時ラクダに誓ったこと、
そして、きょう、鳥取砂丘に行ってきたこと(笑)を、関西人ならではの口調で、ユーモアたっぷりにMC。
 「歌をうとぅてなかったら、こんな米子くんだりまで来る機会はありません。皆さんが呼んでくれたんです。ありがとぅございます~」。
その後のMCでは、更にローカルな地名・店名(元町サンロード、スーパーいしかわ、朝日町のかば…米子界隈の住人でなければわからない御当地ネタ)まで散りばめていました(笑)。
「綾戸智絵と上戸彩を間違えた」というギャグも…(笑)。
     
 (※以下、筆記具を忘れて家を出たので、曲目をメモしていません。セットリストが不正確でごめんなさいm(__)m)        
 「20年と20年と6年生きてきた…これ、ええやろ? このネタ使ぅてええでぇ(*^_^*)…そんな中で、この7年間 (注:歌手デビューしてからの年数)は最も濃いぃ時間でした」という智絵ちゃんの、『チャレンジ』が、作詞・作曲。
 「当時郵政大臣だった、鳥取県選出の議員先生の、平林鴻三さんと……これまた鳥取県出身の次官さんに、綾戸は、『みんなが歌える、郵政のイメージソング』作詞・作曲を、頼まれましてん。そんとき、こっちが例の地震で(平成12年・境港市を震源とした、山陰沖地震)、大臣さんは急いで地元に帰りはったんやけど、次官さんはそのまま居はって、趣旨説明しはりました。ほんま鳥取には縁があるんです」
そして歌い始めたオリジナル曲③「Everybody Everywhere」。軽快なスウィング曲です。智絵ちゃんのピアノが小気味よくリズムを刻み、サビの「I say. You say」という歌詞では、「You say(=郵政(^_^;))」の部分を客席に歌わせていました。客席も(私ももちろん)気持ちよく、智絵ちゃんの後で「♪You say」と続けて歌います。
 この曲のあと、もう1曲ソロで弾き語り(④Wonderful Nightとかいう曲名だったような…。曲が終わった後、智絵ちゃん御自身が、曲の紹介をなさっていたので=省略した曲もいくつかありましたが、筆記具持ってこなかったのを後悔)。
 そして、バックミュージシャンさんが(合計3人)、徐々に呼ばれてステージ上へ。まずは、ハーモニカ奏者の方が。この方、智絵ちゃんいわく
 「告白します…このひと、実は、ハーフなんです。母親は千葉、そして父親は…米子ぉ!!
 きょう親戚来てんのやろ?客席に手~振っときぃ!!」客席も一段と沸きます。
このハーモニカ奏者さんとの共演で、⑤「ワシントンスクエアの夜は更けて」。昔サントリーのCMで使われた曲。ハーモニカ奏者さんのバッキングで、ピアノを弾く智絵ちゃんの楽しそうなこと。彼女のピアノはリズムに乱れがなく、余裕があります(前述のテレビ番組で凄いなと思ったのも、この点)。いったんハーモニカ奏者さんはハケます。

 続いて、ギター奏者さんの登場(クラシックギター畑の方のような奏法でした)。智絵ちゃんはピアノから離れて、ギターの近くに腰掛けて⑥「Fly Me To The Moon」。
宇多田ヒカルさんや、島袋寛子さん(元SPEEDのHiroさん)もこの曲をカヴァーしていますが、既存のメロディーの音譜をなぞる(トレースする)ことから踏み出して、独自の色を出していくことにおいては、智絵ちゃんに一日の長があるように思いました。
 もうひとり、(先に登場したギター奏者さんの)弟子だという、20歳のギター奏者さん登場。2人のギターをバックに、⑦「黒いオルフェ」(この曲大好きです…ヤマハ系の音楽教室で電子オルガン習った人間なら誰でも知っている曲=笑)、ストーンズの⑧「悲しみのアンジー」を。

「アンジー」については、
「子どものとき、ローリング・ストーンズがごっつぅ好きで、カッコ良くて、真似してたんです。お母ちゃんが『タラコない』云うてたら、私が唇に着けてるという(笑)。
ストーンズが、四畳半フォークみたいなバラードを、1曲だけ歌ぅてはるんですが、これからその曲をやります」とコメント。再びハーモニカ奏者さんも登場。ここからは、ギター2+ハーモニカ1+綾戸智絵、という布陣で。

 「こうやって、ツアーに廻らせてもらうお陰で、地理の勉強になりますぅ~。米子・境港の名物云うて、何やの?」と智絵ちゃんが云うやいなや、『ゲゲゲの鬼太郎』のサビの演奏を始める4人…それに続いてそのまま、⑨「恋の片道切符」へと繋げてしまうジャズメンのセンス(これが圧巻!!)。この展開が聴けただけでも、きょう来た甲斐があったと(笑)。
 さらに⑩「On and on」(…と云っていたようなm(__)m) そして、智絵ちゃんが愛息に捧げたオリジナルナンバー⑪「Get into My Life」。この曲は「私より早く死なないで」と、母から息子に充てたメッセージなのだそうです。
 智絵ちゃん・お母様・御愛息3人のなかでは、生き死にの問題も「佃煮の話題と同じように」、普通に日常の会話ののなかで取り上げるのだそう。そして、「あるひとにとっては10年かもしれないし、またあるひとにとっては90年かもしれない。長さはどうあれ、与えられた命を精一杯生きるのだ」というのが、共通の人生観なのだそうです。
 本編最後の曲は⑫「わが心のジョージア」だったように思います(この辺の曲目・曲順がややうろ覚え。もう1曲本編あったかもしれません)
     
 アンコールは2曲。ハンドマイクで舞台の左右を動いて、客席の皆を見ながら⑬「サンシャイン」。スティービーのオリジナルのメロディーを大部分崩して、「綾戸流」でした。再度ピアノに向かい、⑭「風に吹かれて」。5月発売のアルバム『TIME』収録曲ということで…「ドモホルンリンクルでも『お試し』があるのに、CDにはお試しがあらへんやん?ということで、1曲…」
 
 曲のエンディングと同時に緞帳が再び下りてゆき、終演を知らせる場内アナウンスには、関西イントネーションの明るいアナウンスが…

「もうちょっと聴いていたいあなたにはCDを、もうちょっと見ていたいあなたにはDVDを、ロビーで用意しております! お揃いのTシャツを着たいあなた、ロビーに取り揃えております!ビューティー綾戸、米子に来れて幸せです!」
終演後まで関西人のノリ満載(笑)。爆笑モノのアナウンスに、客席も拍手しながら会場をあとにしました。


 「間を持たせない」智絵ちゃんのしゃべくりすべてを、ここに記すには、わたしの記憶力が追いつきませんでした(^_^;
 歌・ピアノ・MC(というか「しゃべくり」)、すべてにおいて、サービス精神旺盛で、隙間がありませんでした。
 
終盤改めて、この仕事(歌手)のお陰で米子へ来られた、という云い方をしながら、
 「『子どものころ、めんどくさがりやった自分が、いま、なんでこうやって、夜も寝ずと楽譜書い たり、一生懸命練習したり出来とんのやろ?』と考えることがあるんです。
 『歌が好きだから』なわけがない。
 『歌とご飯どっちが好きか?三度のメシより音楽が好き?』
 そんなことあら(=ありは)しません。音楽よりはご飯のほうが好きですぅ~。
 でも、皆さんが居てくれはる、綾戸のうたを待ってくれはることで、私も頑張ろう(と)いう気にな れるんです。
 馬はニンジンないと前には進めません。
 音楽は…歌は、ニンジンやのぅて、鞍なんです。ニンジンは、お客さん…皆さんなんです。
 この7年間、皆さんが、音楽を育ててくれはったんです」
実感のこもった言葉でした。

 終演は19時08分。正味2時間でした。綾戸智絵が全力で演じきった、エネルギッシュで、濃密な2時間でした。
 「あと何回(あとどれだけ)夜を共にすごすことができるだろう」…ラストに歌ったナンバーの歌詞を引き合いに出して、智絵ちゃんは「一期一会」というような意味合いのことを、ラスト前に口にしていました。智絵ちゃんから力をもらう、智絵ちゃんを見て元気をもらう…こんな前評判の理由が、なんとなく分かった気がします。

 私はジャズについてはまったく不案内で、ジャズシンガーのよしあしについて論じられる立場にはいません。
 智絵ちゃんに関しては、ジャズ屋としては賛否両論目にしたことはあります。
ですが、ジャズの重要な要素のひとつが、即興性であるとすれば、綾戸智絵のフェイクは心地よいし、その引き出しは幅広く、奥行があるように思えました。
 また、「不快にならない細かいビブラート」を出せる、数少ない歌い手さんのひとりだとも感じました…というか、私個人が改めて、ハスキーな声&洋楽系の細かいビブラート&多彩なフェイクを兼ね備えたヴォーカリストが好きなんだろうな、と思ってしまいました(^_^;)。

 智絵ちゃんは愛息イサくんを、今回鳥取に連れてきたそうです(3連休を利用して、中国地方公演に同行)。御自身が子ども時代に見た、鳥取砂丘の風景を、イサくんにも見せたかったのだと。母親の顔が覗きました。 
 智絵ちゃん、おおきに! また来てや~(^^♪
 


 ♪セットリスト(らしきもの(^_^;))♪

1)Amazing Grace
2)テネシー・ワルツ
3)Everybody Everywhere
4)Wonderful Night
5)ワシントンスクエアの夜は更けて
6)Fly Me To The Moon
7)黒いオルフェ
8)悲しみのアンジー
9)ゲゲゲの鬼太郎(=イントロとして使用)~恋の片道切符
10)On and On
11)Get into My Life
12)わが心のジョージア

=encore=
13)サンシャイン
14)風に吹かれて


      
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by oda_hide7 | 2004-10-11 22:28


ネタバレありライヴれぽです
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